24年度から大学入学共通テストがフル改革へ
いよいよ第1回大学入学共通テストが実施されますが、まだ入試改革の道半ばです。現在の中2生が高校に入学する22年度から12年に1度更新される新学習指導要領が段階的に施行され、プログラミングなどを学ぶ情報Ⅰが必須となる可能性が出てきました。大学入試センターはこの世代が大学受験を迎える25年1月の共通テストの教科・科目に「情報」「公共」の新科目を加えることを検討していると発表しました。
出願や試験実施の負担軽減を求める意見も反映し、現行の6教科30科目から7教科21科目に再編成する考えです。センターの方針を踏まえ、文科省が来年夏に最終的に決定する予定です。大学入試センターが高校や大学関係者向けに示した試作問題によると「情報I」はコンピューター出題・解答する方式(CBT)導入は見送られ、試作問題も従来のマークシートでの解答方式となっています。
出題内容は、アルファベットでできた暗号の解読をテーマに、プログラムを完成させる問題のほか、決済サービスでの利用者確認で使われる2段階認証についての理解度や、動画のデータ量に関する基本的知識などが問われた。プログラミングの問題では、各高校の授業で使うプログラミング言語が異なる可能性があるため、公平性を考えて架空の言語が使用された。
22年度から高校で導入される新学習指導要領では、国語の現代文が「論理国語」と「文学国語」に再編成されるのに加えて社会科も大きく変わる。必修だった世界史を廃止し、世界史と日本史を統合した「歴史総合」を新設。選択科目だった地理も「地理総合」となり必須科目になる。世界史から日本史かの2者択一ではなく、グローバルな視野で世界や日本の過去から未来を考える必要性が反映された結果だ。課題は高校の社会の教員のうち、約8割が歴史専門で地理の教員が少ないこと。当塾では地理・世界史オタクで現役時代全国模試トップクラスだった講師が、長文読解のテーマと関連する地理や歴史も教え、進研模試などで生徒さんの地歴の成績も伸びています!
外国語のうち英語は現行通り「リーディング」と「リスニング」に分けて実施する見込みです。スピーキングやライティングは、機器や公平に採点する環境が整っていないとして見送る方針のようです。文科省自身が大学入試用の4技能試験を作る意欲がないのにはガッカリしましたが、一方で先送りされた英語民間試験活用の可能性も残したのではないでしょうか。24年度以降どうするかは「大学入試のあり方に関する検討会議」で継続審議されています。
今年過去問もない初めての共通テストを受験する高3生も大変ですが、フルセットの入試改革に挑まなければならないかもしれない中2生以降の皆さんもまた大変ですね。中3生の皆さんは浪人してしまうと入試制度の狭間でもっと大変です。国公立大学の受験生には現状でも負担の多い科目数がさらに増えるのですから。中学生の皆さん、今のうちから英語は頑張っておきましょうね!