英語4技能派と訳文主義派、外国語学部英語学科と文学部英文学科の違い
大阪大医学部を目指す浪人さんの英語を見ていたとき過去問見てびっくりしました。東大でさえリスニングを率先して導入しバランスのよい総合英語問題を出題しているのに、未だに下線部和訳・英訳がメインのタイムスリップしたような旧態然とした問題。あれっ、阪大って大阪外大を併合していなかったっけ?
噂によると伝統ある文学部の訳文主義派の教授が阪大外国語学部となった旧大阪外大の4技能派の勢力を排除しているとのこと。阪大の英語は外国語学部を除き守旧派が作問しているので和訳・英訳がまだメインだということです。私の母校上智大学には外国語学部英語学科と文学部英文学科が設置されていますが、かなり違うことを学びます。極端に言えば英文学科は日本語訳でシェイクスピアなどの文学研究をしてもいいわけで言語学、文法論、音声学などを履修する英語学科がやはり英語学のエキスパートではないでしょうか。
大学入学共通テストの英語民間テスト導入を唱えた文科省の民間審議委員は我が上智大学外国語学部英語学科の偉大な後輩、東進のカリスマ講師安河内先生、そして上智外英の恩師吉田教授、彼らの声もありセンター英語筆記の発音・アクセント・会話問題などが廃止されました。これらは「話す力」を間接測定する問題として利用されてきましたが、一向に日本人の英会話力は向上せず「効果なし」と判断されたためです。しかし文学部英文学科を中心とする訳文主義派の巻き返しも凄まじく、英語民間テストの即時導入は見送られ4年間の移行期間は大学入試センターがリスニングを筆記リーディングを均等配点にしたマーク試験を作成することになりました。それが去年2回試行された共通テスト英語です。
大学入試英語を巡り4技能派と訳文主義派のバトルはまだまだ続くでしょう。でもその影響を受けるのはこれから日本を背負って立つ受験生の皆さんです。スーパーイングリッシュでは変わりゆくルールに文句を言うだけでは前に進めないので、生徒さんを変化に順応させ目標を達成してもらうことに全力を尽くします!