公立中高一貫校の優位性
初の本番を迎えた大学入学共通テスト。試行調査が公立中高一貫校の適性検査問題と類似している!と言われてきた。そうであれば、6年前に激戦の適性検査を突破してきた高3生が共通テストで高得点連発という結果になったのか?朝日新聞が検証していたので紹介したい。
共通テスト「第1日程」の数学IAと東京都立中高一貫校の適性検査IIは、どちらも、太郎くんと花子さんの会話文を読んだ後、質問に答えていくという形式だった「適性検査の会話文には解答に誘導する流れや複線があり、それに気づけるかどうかが勝負となる。会話する2人の意見や立場の違いを理解できているかどうか?コミュニケーション能力を見ている側面もある」と都立公立中高一貫校に多数の合格者を輩出する学習塾enaは指摘する。
第1回目の共通テストでも数学IAで出題された陸上競技におけるストライドとピッチの関係を問う問題や、数学IIBの読書時間といった題材、国語で2つの文章を比較し、論評・考察したノートをもとに解いていく問題も公立中高一貫校の適性検査を連想させた。
両者の類似性を指摘する声は公立一貫校の教師からも上っている。都立桜修館中教の進路指導主任は「単に知識を暗記して答えるパターンではなく、初めて出てくるシチュエーションの中で情報を引き出していくという設問の形式が、適性検査に近い」という「突き詰めると適性検査も共通テストも同じような力が要求されている」と京都府立洛北高校・中学校の進路指導部も指摘する。
そもそも学校で教えない知識や解法テクニックを競わせる私立中学入試へのアンチテーゼとして生まれたのが公立中高一貫校の適性検査だ。その特徴を一言で言えば教科横断型で、知識より思考力や表現力を測る問題だ。大学入試改革で思考力や判断力を問うため導入された共通テストが適性検査に似たのは、必然の帰結だろう。
全国の公立中高一貫校が人気を集めるようになると、私立中でも適性検査型入試を行うところが増えてきた。私立中の先生からは「適性検査型で入ってきた生徒は、知的好奇心が旺盛で、伸びしろが大きい」との意見も聞く。では公立中高一貫校や私立中の適性検査型入試の洗礼を受けてきた生徒は6年後の大学入学共通テストでも有利だったのだろうか?
東京の私立中でいち早く適性検査型入試を実施した宝仙学園理数インターでは「6年前の適性検査と共通テストの自己採点の間に相関関係は見られなかった」と言い、適性検査型入試で入学した生徒の共通テストにおける優位性を示すエビデンスは得られなかったようだ。こうした見方は公立中高一貫校にも通じる「共通テストで有利に働くほど適性検査の影響はない」と洛北中高も選抜方式による直接的な影響を否定する。
全国の私立、公立の中高一貫校は適性検査による共通テストへの優位性のエビデンスはあまりないとしていますが、成功例である大安寺中教の今春の大学合格実績は東大8名・京大5名・国公立医学科18名の大躍進です!進研模試や東進全国統一高校生テストでも岡山県内上位を占める生徒が多く、以前は私立中高一貫校に進学していた生徒がかなりの数、中学入試で抜けている傾向が見られます(岡白さんは今春得意の国公立医学科で現役進学者5名まで減少)。当塾の大安寺高1男子くんからも「職員室が盛り上がっている」とのこと。
当塾へのお問い合わせも大安寺新中3生が2名、新中2生が1名と高校進学時にご入塾希望の生徒さんが多く、ご父兄の先取り教育への意識は私立中高一貫校並みに高いです。来年も引き続き躍進すると県内中学入学偏差値トップの操山中と共に「中学から公立中高一貫校」への流れがさらに加速しそうです。