広大福山に迫る大安寺中教の躍進
前回のブログで入学試験である適性検査が共通テストと似た思考力テストであることから公立中高一貫校の優位性について述べましたが、やってくれました!今春の大安寺中教(定員160名)の東大・京大・国公立医学科の合格者数は地域トップ校の広大福山(定員200名)に迫る勢いでした。
東大:大安寺8名(現役5名)>広福4名(同4名)
京大:広福9名(現役6名)>大安寺5名(同4名)
国公立医学科:広福19名(現役11名)>大安寺16名(同8名)
前年と比べると大安寺の合格者数は東大・京大は1名ずつの微増でしたが、国公立医学科は9名も増加しました。また合格者の現役比率も広福と肩を並べるかそれ以上でした。医学科合格者の内容も凄く、岡山大医学科は大安寺5名=広福5名と同数でしたが、現役合格者数は大安寺3名>広福1名でした。さすが広福は最難関の東大理3に現役1名合格していましたが、大安寺も京都医に現役1名(岡山から唯一の旧帝医合格)と負けておらず、定員が少ない分現役合格率は高かったです。
今回の大安寺の大躍進、最も大きな理由は今年の卒業生が完全6年制に移行後の第1期生だったことだと思われます。以前は私立トップ中学に進学していた上位層がかなり6年制になった大安寺中教の方を選択したことが推測されます。
中四国公立高校偏差値トップに君臨する広大福山に何が起こったのでしょうか?特に国公立大学医学科合格者(防衛医・自治医除く)は昨年の30名から11名も減らし、現役合格者も15名から4名減らしています。(中四国の医学科で唯一残る山口大後期7名の内、現役生が2名復活を果たし底力を見せてくれました)
一方、大安寺と共に岡山県内で難関大合格者数を前年から大きく増やした高校は同じく中高一貫の就実でした。東大現役2名(文1・理1)、京大3名、国公立医学科5名合格と昨年から大躍進です。最難関国立大を目指す特進ハイグレードコースの土曜夕方まで授業を行うスパルタ教育の効果が出てきたのでしょう。
大学入学共通テストに変わり、知識の記憶よりも思考力・問題推測力など付け焼き刃のテクニックが通用しない試験に変貌を遂げています。高校が横並びでやっていた、センターマラソンのように12月から短期集中で対策するスケジュールでは共通テスト対策としては十分とは言えなくなっています。
初年度の今年は平均点が上がったとはいえ、共通テストを決して侮ってはいけません。当塾でも共通テストでボーダー以上の点数が取れていた生徒は現役合格できました。河合塾、東進など各予備校が2つの日程で出題された共通テストを分析して繰り出してくる全国模試は受験し、余すことなく復習しましょう。夏休み中に共通テスト形式の問題を集中的に練習すること。初年度易しかった反動で英語、数学、生物など平均点が高かった科目を中心に難化することが予想されることから、2次試験対策と並行し早めにスタートすることが肝心です(共通一次、センター試験でも2年目は難化しました)。