健闘する地方公立伝統校
公立高校の国公立大学医学科合格実績で目を引くのは、北から札幌南(国医合格者56)、秋田(35)、富山中部(38)、藤島(29)、岡山朝日(25)、高松(35)、大分上野丘(41)、熊本(46)、鶴丸(37)といった旧制中学の伝統を受け継ぐ高校たち。
これらの高校に共通するのは、私立が弱い県の伝統校であること。また地元医学科の地域枠推薦の定員が多いことがあげられます。北大医学科に21名合格の札幌南、秋田大に24名合格の秋田、大分大に25名合格の上野丘、鹿児島大に32名合格させた鶴丸 (鹿児島の上位男子はラ・サールに行くので大半が女子?)などは地域枠を独占する地元医学科ドミナント戦略です。岡山県枠が4名しかない中、今年も岡大医学科に9名送り込んだ朝日は地域枠の下駄なしでの実績で十分リスペクトされるべきだと思います。それにしても岡大さん、地元地域枠削減、国際バカロレア枠増設って県北の医療過疎地域は大丈夫なのでしょうか?
筆者が学生の頃は岡山も徳島も「15歳の春は泣かせない」とかいう平等主義に基づき市内普通科に総合選抜制を導入し上位層を均等配分する政策をとりました。岡山は朝日が見事に復活を遂げましたが、徳島は東大・医学科に年間70名近い実績があった旧制中学の伝統を受け継ぐ公立校が崩壊してしまいました。未だに高校入試も中学で調整面談という競争率を下げる(1.01倍とか)愚策を続ける結果、全県の学力が下がり今年の東大合格者はわずか7名と朝日高1校にも負けています。
筆者も共生主義に反対ではありませんが、限られた資源をいかに最適活用するかという経済原理で生きる社会で競争は避けられないと考える現実主義者です。各国立大学の競争率は3倍はありますので、自分と同じ学力の人と競って3人に1人の席を勝ち取るしかないのです。ただ日本の国公立大入試はフェアな分救われると思います。米国アイビーリーグのHarvardはKennedy家と書けば合格、YaleはBush家と書けば合格、2割ぐらいはレガシーAdmissionというOB、寄付金スポンサー向けの特別枠があったりします。
ちなみに不適切入試のパンドラの箱を開けてしまった東京医大をはじめとする私立医大では、合格者に占める女子や多浪生の割合が上昇したようです。15浪して合格した強者もいたとか。「今年の結果を見ると、前年までは女子を制限していたと疑われても仕方がありません。女子学院の私立医大合格者前年比+16名、白百合が+9名、東洋英和が+9名など、首都圏に合格者が大きく増えた女子校が多い。この傾向が本当に続くのかどうか、毎年チェックしていくべきです(by 大学通信)」
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