下級生の人は東進模試にご注意を!?
新課程入試を翌年に控え「後がない」意識から、24年入試では浪人を回避し、現役合格を目指す「超安全志向」に傾くだろうと各予備校は予想する。高3生は学校で共通テスト模試の連続だと思うが、高2・高1生にとっては年2回受験できる東進の全国統一高校生テストが共通テスト型模試を経験できる貴重な場となる。
全国統一高校生テスト(全統高テスト)では、英語リーディングは全学年部門(高3生用)、高2生部門、高1生部門とで難易度を変えて出題される。但し、上位の成績をとって東京での全国決勝大会に招待してもらうためには下級生でも全学年部門を受験して上級生とも競わなければならない。
6月の第1回全統高テストの試験時間及び試験範囲を見て驚いた点は、
(全学年部門→高2生部門)
数学IIB→数学IIBC:60分→70分
国語:80分→90分
新学習指導要領下で実施される2024年度共通テストを受ける現高2生には6月の模試から、各々10分延長した国語、数学IIBCを出題してきたのには驚いた。数学IIBCの出題範囲にも旧学習指導要領では数III範囲であった「平面上の曲線と複素数平面」が追加されており、素早い対応だ!
特に10分延長され、現代文110点、古文・漢文90点へと配点組み換えの大きな理由となった現代文3つ目の大問として実用文の予想問題を東進が出題してくるかを注目したい。2018年に共通テストのプレテストとして作られた試行問題には駐車場の契約書、生徒会の議事録などの実用的文章が出題され、当時は記述問題として共通テストに加えることが検討されたが、自己採点が不可能との理由で見送られた経緯がある。
実は新年に入って現高2生が受験した全統高1記述模試から河合塾は国語の配点を現代文110点、古・漢文90点へ変更していた。大手予備校も24年度の大学入試改革第2弾に向けて着々と準備してきているようだ。出版社さんには新教科となる情報I、地歴・公民の新科目(歴史総合・公共)、数学IIBCの改訂された参考書をなるべく早く出して欲しいものだ。文系の受験生にとっては複素数平面分野のために旧課程の数IIIの本をわざわざ買うのはムダであろう。
模試を受ける意義の一つして、本番を想定して時間配分や戦略的な解き方を練習ができる点がある。現高2生にとっては過去の遺物となる現学習指導要領ベースの全学年部門を受験しても本番のシミュレーションとはならないので、特に全国決勝大会を狙わない人は全学年部門ではなく、高2生部門で新課程の国語や数学IIBCを体験しておくべきだと考える。また下級生にはオーバーワークな全範囲で出題される東進共通テスト本番レベル模試も旧課程型なので高2・高1生にはおススメできない。
受験生の皆に平等に与えられているのは時間だ。本番までの時間をいかに「合格するために」使えるかで結果は変わってくる。大手塾さんでは各科目を各講師が教えるだけの形になっているのが普通だと思うが、少数精鋭の当塾は「受験に対する姿勢や取り組み方」を説き、生徒一人ひとりの強みを活かしたコーチングにも力を入れる「生徒さんの現役合格の可能性を1%でも上げたい!」と情熱を注ぎこむ日々が続いている。