2020年大学現役合格者総覧
毎年この時期週刊誌2誌が競って全国1899高校の「現役進学者総覧」を掲載する。大学通信は「今春は例年以上に現役進学志向が強かった」と振り返る。要因は来年1月に始まる大学入学共通テストだ。センター試験の後継となる試験で、昨年12月まで英語民間試験の利用や国語・数学での記述式問題の採用が検討されていた。最終的にいずれの導入も見送られたものの「受験生にとっては大きな負担で絶対に浪人したくない!生徒が多かった」とみる。
国の煮え切らない姿勢が、受験生を振り回した格好だ。河合塾によると、今年の東大合格者の現役占有率は67.2%で前年より0.6ポイント、京大合格者の現役占有率は62.9%で前年より2.6ポイントも上昇している。
一方、2019年の難関10国立大学合格ランキングでトップ3を形成していた筑波大附属駒場(20年1位)、聖光学院(同4位)、開成(同5位)で現役進学率が下がった。これら3校ともに東大を中心とした難関国立大の合格者減により現役進学率が下がっている。そして聖光学院と開成はその分、難関私立大の現役進学者が増えている。両校の早慶上理の進学者数を前年と比較すると、聖光学院は37人→51人、開成は28人→43人と共に増えている「中高一貫のトップ校は、以前は浪人をいとわない傾向が強かったのですが、近年は安全志向から現役合格にこだわる生徒が増えているようです」浪人をして東大などの難関国立大を目指すより、早慶に現役進学したいという受験生の思いが現役進学者数に表れているようだ。早慶が難関10国立大と比べても、進学先として遜色ないと理解している生徒が少なくないということだろう。
聖光学院と開成に代わり、難関10国立大合格ランキングでベスト3に入ったのは、2位の道立札幌北と3位の札幌南だ。全体として一貫校が優位のランキングで、今回は3年制の公立校が上位に入った。これは優秀な受験生の「地元志向」の受け皿としての役割を、地元の旧帝大(両校の場合北海道大)が果たしているということだ「公立の伝統校には地元大学に強いという伝統から得られる、合格のためのノウハウがある」と予備校関係者は言う。
果たしてこれらの公立伝統校は、新型コロナウイルス感染拡大の中、来春も同様の実績を残せるのだろうか?大学通信は、休校期間が合格状況を左右するとみる「遠隔授業が中心となり、自ら主体的に学ぶ学習態度を育んできた高校の生徒は学力が伸びたと思います。だが、詰め込み型授業に慣れて受け身な生徒が中心の高校は厳しく、合格実績が下がる可能性が高い」
大学入試改革と新型コロナのダブルパンチで2020年度入試は先が見通せない波乱の状況ですが、スーパーイングリッシュでは激動の国際ビジネスの世界でもまれた「変化に強い」講師が現役合格を目指す生徒さんに本番直前まで寄り添っていきます!