全統共テ模試のボーダー得点率が激変!?
高3生の夏の天王山だった第2回全統共通テスト模試の結果を元に、河合塾が新たな国公立大学の50%合格可能性共テ得点率を更新した。当塾で志望者が多い国公立医学科で、6月に発表した第1回全統共テ模試後のデータと比較すると、
東日本の医学科の共テ得点率は全国トップの東大理3(91%)が1%下がった位で変わらなかったのと比べて、西日本の医学科の得点率の下落が目立った。4%急落した京府医(82%)をはじめとして、滋賀医(82%)が3%ダウン、旧帝医の大阪医(88%)・難関の神戸医(87%)・旧六医大の金沢医(83%)が2%ダウン。西日本最難関の京都医(90%)や中四国トップの岡山医(86%)でも1%ダウンした。
得点率が上がった大学は、国公立医学科最低得点率から抜け出した弘前医(82%)が2%、福島県医(82%)が1%アップ。西日本では最南端の琉球医(82%)が1%アップしていた。東日本では弘前医の定員減、富山医の後期入試廃止が予定され、需給ギャップがタイトになった影響もあり、あまりダウンは見られなかった。
一般枠(地域枠推薦枠は低くなりがち)での全国最低得点率の医学科は共に2%ダウンした東日本の旭川医、 西日本の高知医の80%で何とか得点率8割(720点)を死守した「国公立医学科は9割を目指せ」など絶対評価的であったセンター試験とは異なり、共通テストは模試の難度が変わる毎にボーダーが上下する相対評価の傾向が強くなっている。
新型コロナワクチンの創薬ブームから国立薬学科人気は続いており、岡山薬薬(6年制)の前期は80%で高知医と並び、後期も85%と、ついに旭川医や山口医など医学科の後期得点率(83%)を上回った。もはや国立6年制薬学科は医学科の滑り止めにできないレベルまで上がってきている。
それにしても第2回全統共通テスト模試は良い出来だった。理系5教科総合の平均点が440点、文系総合が443点と5割平均を目標とする共通テストの理念にしっかり合わせてきていた。全国から招集された大学入試センターの作問委員の任期は2年間。昨年は数か月に及ぶ休校期間への配慮で思い描いていた問題を出し切れていなかったが、今年は思い残すことなく出題してくるであろう。
共通テスト英語、特に去年のリーディングは分量は増えたが失点リスクが高い高配点問題が減らされ、正答率を下げる複数回答問題も設定が緩かった。作問委員の任期が終わる今年は本気を出してこられ難化が予想されるので、どんな問題が出されても打ち返せるように多種多様な傾向で実戦演習してもらっている。