Super English
大学入学共通テスト対策塾

News & Blog お知らせ・ブログ

追試験はいろいろな意味で不利かも!?

Jan. 29, 2022 大学合格戦略

今日は大学入学共通テストの追試験日だ。新型コロナ濃厚接触者に共通テストを受けさせるかについては文科省が方針を二転三転し混乱を招いた。当初は無症状でも本試験の受験を認めず、追試験で対応するよう大学に通知したが、しゃくし定規で受験生の気持ちに寄り添っていないと批判が相次ぎ撤回に追い込まれた。

追試験を敬遠する受験生は多い。本試験を見てから受験できるので難易度が上がり不利となる懸念が拭えないからだ。また共通テストの追試は本試の2週間後に実施されるため、出願先決定、個別試験までが短くなり、予備校の判定システムも短期間しか利用できないため、自己採点ベースの合格可能性がわかりにくいデメリットが生じる。

毎年40万人近くが利用する河合塾バンザイシステム 、駿台データネットが主な合格判定システムだが、前者はボーダーをBとC判定の間、後者はB判定との差で算出するので医学科のようなタイトな得点分布になると前者でB判定、後者でD判定と分かれ、河合の判定に希望を見て、駿台で絶望を見るという場合も多い。毎年この差に受験生は悩まされる。

共通テストでのハンデを個別試験で逆転できるかについては、配点、2次試験の難易度に依るところが大きく、下記のケースのように1次マークの判定が覆る場合もある。
①「2次試験の配点>共通テスト配点」の大学の場合、
1次500点<2次1500点のA大学の場合、ボーダーラインを挟んだ上下10%のゾーンで、全体の約33%が逆転合格者・不合格者となり入れ替わっていた。
②「2次試験の配点=共通テスト配点」の大学の場合、
1次500点=2次500点のB大学の場合、 ボーダーラインを挟んだ上下10%のゾーンで、全体の約19%が逆転合格者・不合格者となり入れ替わっていた。
③「2次試験の配点<共通テスト配点」の大学の場合、
1次500点>2次300点のC大学の場合、ほとんど2次逆転は起こらずボーダーラインを境に合否がきれいに分かれていた。

一般に2次試験での逆転可能性は問題が難しいほど高くなるので、単に配点割合では決まらない。上記①は阪大医学科のような難問低得点型、2次で差がつくので逆転割合が高いが②の香川大医学科のような易問高得点型だとそれほど逆転は多くない。

また、配点は素点ではなく実配点=配点xボーダー得点率で考えるべきだ。例えば 、
1次400点合格ボーダーが75%、2次600点の合格者平均が50%のD大学の場合、
配点比率は2:3と2次重視のように見えるが、合格に必要な実際の得点比率は、
実共テ配点:400点x75%=300点
実2次配点:600点x50%=300点で1:1となる。実配点で考えると1次の配点が2次の配点を逆転することも少なくないので志望校ボーダーには要注意だ。

入試は人生の進路に関わる大切な機会なので、駿台と河合塾には判定基準を統一してもらいたいし、文科省には全ての受験生が努力の成果を発揮できる環境の整備に努めることを願うばかりだ「共通テストなしでの合否判定を要請」のような公平性という根幹をも否定しかねない言動で受験生を混乱させるようなことは謹んでもらいたい。