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地元の国公立医学科に強い全国の高校(2022年度)

Oct. 28, 2022 大学合格戦略

世界を見据える岡山大は国際バカロレア(IB)入試(定員5名)には力を入れるが、地域枠推薦を中四国で最少の4名しか採らないので岡山県の高校が多数合格させるのが困難な医学科だ。しかし全国を見渡すと、最多で30名以上採る地域枠も利用し地元の国公立医学科に15名以上の合格者を出している高校が21校あった(◎は私立、△は国立、防衛医大除く)

2022年度国公立医学科合格者数( )は前年度実績:
札幌南43名↓(52名):札幌医大24名
◎北嶺48名↑(37名):札幌医大19名
秋田23名↓(27名):秋田大21名
安積17名(17名):福島県立医大15名
新潟41名↓(43名):新潟大19名
△金大附33名↑(19名):金沢大15名
◎高田33名↑(20名):三重大20名
◎東海123名↑(93名):名大37名
◎東大寺学園68名↑(61名):奈良県立医大15名
◎甲陽学院60名↑(48名):神戸大15名
△広大附32名↓(33名):広島大18名
松山東19名↑(12名):愛媛大15名
◎愛光47名↓(58名):愛媛大15名
◎土佐33名↑(22名):高知大18名
◎久留米大附設64名↓(90名):九州大24名
◎青雲50名(50名):長崎大18名
熊本42名↓(66名):熊本大29名
大分上野丘29名↑(28名):大分大21名
鶴丸25名↓(29名):鹿児島大15名
◎ラ・サール76名↓(79名):鹿児島大21名
◎昭和薬大附47名↑(43名):琉球大28名
これらのデータから今春の傾向を分析してみると、

★私立中高一貫の男子校が強い(灘(兵庫)は京都医に20名合格)
東海、東大寺学園、甲陽学院など中高一貫の男子校は理数科目が超難化した共通テストでも強かった。過酷な中学受験で鍛えられた地頭の良さが難問に耐える底力を生んだのだろう。知名度は低いが少数精鋭の北海道の北嶺は国公立医学科現役合格率が32%と全国トップに躍り出た。男子は物理選択が多く、平均点が高かった生物選択の女子が有利だった昨年とは逆転現象が起こった。

★各地域の公立伝統校が死守した
札幌南、秋田、福島の安積高校など北日本、熊本、大分上野丘、鶴丸など南日本では旧制中学の流れを受け継ぐ公立名門校が地元の医学科を死守した。とりわけ新潟高校は県内の医師不足を懸念する県教育委員会の方針により、全県学区の理数科に集めた神童たちを高2からメディカル(医歯薬系)コースとサイエンス(理工学系)コースに分け、私立校並みの理系英才教育をする力の入れようだ。

★地域枠の定員が多い地元高が強い
札幌医大は北海道選抜枠が35名、県内の高校出身者のみ対象の地域枠推薦は、秋田大20名、福島県立医大35名、新潟大22名、三重大30名、長崎大30名と20名以上の県内生を採る医学科があり、各県のトップ校は大量合格を狙ってくる。卒後9年間の地域医療従事義務が課され一般枠より合格最低点が低くなる地域枠推薦のはしご無しに、真向勝負をする高校は今春123名合格と15年連続国公立医学科合格者トップを誇る愛知の東海、地域枠の無い九州医のおひざ元、久留米大附設ぐらいだ。近年共学化した久留米大附設は医学科志望の理系女子の頑張りで昨年は90名合格と王者東海に3名差まで迫った。

50校ある国公立医学科で地元のトップ校が死守できたのは18大学、6割以上の医学科は県外の強豪校から攻め込まれ群雄割拠の戦いだ。中四国の9国立医学科で地元トップ校から15名以上合格できたのは広島、高知、愛媛の3県のみだった。毎年香川医に20名近く合格させてきた高松高校は14名まで減少、18名の香川県内地域枠推薦があっても苦戦した。岡山朝日が昨年当塾の第1期生を含め現役5名、今春も4名合格させるなど県外から攻め込まれているのに加えて、浪人生を引き継ぐ高予備の低迷が影響しているのかもしれない。

共通テスト自己採点後、医学科受験生は北は旭川医大、南は琉球大まで合格可能な大学を求めて大移動する。全国の実力校の生徒が入り乱れて戦う一般枠を全国大会とすれば、県内高校出身者対象の地域枠推薦(自治医大も含む)は地方大会だろう。但し、その年に絶対受かる天才が何人受けてくるか?によって合格確率が変動する運ゲーム的なところがある。国公立医学科入試は実力プラス「運」も要される厳しい戦いだ。