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2024年度河合塾共通テストボーダー分析

Jan. 20, 2024 大学合格戦略

河合塾の共テ50%合格可能性得点率は模試が終わる毎に更新されるので最後のセンター試験だった2020年度から定点観測している。全国の国公立医学科の昨年度共テリサーチと今年度のボーダーを比較してみると概ねわずかに上昇していた。

東大理3:92%=92%
京都医:89%→90%(+1%)
大阪医:88%→89%(+1%)
岡山医:83%→84%(+1%)
広島医:83%→84%(+1%)
徳島医:81%=81%
香川医:80%→81%(+1%)
高知医:79%→80%(+1%)

共通テスト開始以来3年間で2度も実施された得点調整は今年はさすがに無かった。特に歴代最低平均点を連発し昨年度は外部評価が下から一番目の最低とされた生物作問チームがようやく正常化してくれた。各予備校に溜まっているはずの生物選択の浪人生も今年は少しは報われたことだろう。一方、文系が多いと思うが政治・経済選択者はかわいそうだ。46点と史上最低平均点をつけて地理の68点との間に22点もの差がついた。地歴と公民科目間では得点調整が行われないので相当なハンデとなる。地理Bは9割以上とるのが困難な科目で、アメリカ生活20年の講師が熱く語っていた北アメリカ地誌が的中した21年度、香川医に現役合格した第1期生が97点取ってくれて以来お寒い結果が続いていたが、今年は皆さんよかったね!

生物の平均点は得点調整後で昨年比6点以上戻したが、数学2科目で8点近くダウン、英語リーディングも難化と、国語の10点アップが総合点1%の上昇に寄与しただけで共通テスト全般が易化したわけではない。国公立医学科でもセンター時代と比べるとボーダーは低いままだ。前期では全国最高92%の東大理3、90%の京都医・東京医科歯科、後期で93%の名古屋医・東京医科歯科、90%の千葉医と5校だけが9割を超えた。最低ランクは福島県医・大分医などの地域枠の79%(711点)で50%合格可能性ボーダー700点以下の国公立医学科は無くなった。

共通テストでは最上位層とそれに続く上位層の間に差が大きくなることが改めて認識された。河合塾のボーダーでは、最上位の理3・京医・阪医が1%、東京医科歯科が2%上昇していた。地方国立大では英語4:1配点の徳島医・佐賀医・宮崎医などが英語R難化の下方圧力が国語でのプラスを相殺し前年比変わらず、一方、1:1配点の山形医・弘前医は2%上昇していた。また10点近く易化した国語の配点が全国1位、2位の島根医、滋賀医大も2%の大幅上昇だった。各医学科で多様に異なる配点が合格ボーダーにもかなり影響することが証明された年度となった。

高3生の共テ判定リサーチの個別相談もファイナルステージ。各大学の配点は千差万別なので素点は関係ない。大学によって1次・2次の配点、英語リーディング・リスニングの配点まで多様に異なる医学科では同じ受験生でも傾斜配点で変わるので、全国50校全ての国公立医学科の得点分布・志望者順位・過去の合否結果などを客観的に判断して生徒さん個別の推奨校を提示する(もちろん最後は生徒さん自身に自分の人生の選択をしてもらっている)。理系最難関の医学科の得点分布は他の理系学部より高得点者でぎっしり密集しており、出願校選びがかなり合否を左右する。当然出願範囲(標的)を広く許容するほど合格可能性は高くなる。全国どこの大学でも受かれば行く「どこでも受験生」は強い。