東大共通テストリスニング活用の衝撃!
受験界の絶対王者東京大学、ほぼ全ての学部学科でトップに君臨する最高学府が大学入学共通テストのリスニングを活用するという方針は他の大学の今後の動きにも影響すること必至ですので2部構成で特集させていただきます。
英検など英語民間試験の活用に消極的だった東大が、文科省傘下の大学入試センターが作問する共通テストのリスニングテストを「東大の基準に合う内容」だと評価しました。これで英語民間試験の活用延期、国語・数学の記述試験導入の見送りと権威失墜していた文科省は面目を保つことができました。天下の東大がお墨付きを与えたテストには皆さんなかなか反対できないでしょう。
発表した主要大学の共通テスト英語のリスニング配点をまとめると、
20%:筑波、奈良女子、神戸、岡山、鳥取、島根、山口大など
25%:東北、東京医科歯科、岐阜、名古屋、京都、大阪大など
30%:東大
33%:三重大
40%:帯広畜産、岐阜薬科大など
50%:北海道、札幌医科、お茶の水女子、広島大など
センター英語と同じリスニング20%配点への動きは、筑波大が「リスニング重視の授業を受けていない高校生にいきなり50%の配点を課すのはかわいそう」と共通テスト第1期生となる「高2生への救済策」を打ち出したことが始まりでした。しかし、これはあくまで暫定案であり今回東大が1次リスニング30%配点を導入してきた影響は大きく、次の第2期生(高1生)からはどの大学も展開が読めなくなりました!?東大の発表を受けて今後、予想される動きとしては、
①東大との差を詰めるため京大など旧帝大が30%に合わせてくる?
②難関10大学に数えられる神戸大も「地方国立大と同レベルでは」と30%に上げてくる?
③中四国のライバル広島大に大差をつけられた岡山大も「下位国立大と一緒にされるのは」と上げてくる?
「東大リスニング30%」を基準に、難関大学がランキングを保つため、リスニング比率の引き上げ合戦が展開されてくると考えてしまうのは私ぐらいでしょうか?「高いリスニング比率=難関大学」のイメージ化が進みそうです。
注目したいのは、東西のトップ国立女子大のお茶の水女子大が50%とリスニング重視なのに対し奈良女子大は20%、中四国の2トップの中で革新的な広島大が50%に対し保守的な岡山大が20%とライバル校の配点が両極端に分かれたことです。
「入試改革を考える会」なる反対グループを結成し「共通テストやめてセンター試験に戻せ」と署名活動をしている人たち、代表が中京大の教授で、主要メンバーは日本大教授やセンター英語しか教えられない予備校講師さん達だそうです。ご自身の所属するFラン私大さんは国公立大入試で使われる共通テストと関係ないと思いますがどういう利害関係があるのでしょうか?
センター英語を知り尽くした者としては、①発音、アクセント、会話文問題でスピーキング能力を測定できていたのか?②パズルのような語句整序問題などでライティング能力を間接測定できていたのか?センター試験のスキル測定テストとしての効果を立証してから継続を唱えてもらいたいと思います。単に「センター試験礼賛」だけでかき乱さないで欲しいですね。
私立中高のトップである全国私立中高連合会の会長も「これまで関係なかった人達が入試改革直前になって、的外れな私見やクレームを発表し、本質的な議論とは無関係の非難中傷を並べ立てたことには怒りを禁じ得ない」と怒っていました。
当塾の生徒さんたちも歓迎はしていないものの、国が方針を決めた以上、それに従って正々堂々とフェアな戦いを挑もうと日々努力しています。その子たちにとって、東大のリスニング活用は大きな勇気を与えてくれるでしょう。大学入試改革を通して予見困難な時代に生きる次世代の子どもたちが、新たな価値を創造できる力を高められることを願ってやみません。
進化論のダーウィンの説に、最も強い者が生き残っていけるのではなく、最も賢い者が生き延びるのでもない。変化に対応できる者が生き残れるとあります。スーパーイングリッシュは変化に勇気を持って挑戦する受験生を全力でサポートします!