共通テスト英語の難しさとは?
大学入試改革の柱となる大学入学共通テストの初実施までいよいよ1ヶ月を切った。運営する大学入試センターは、思考力や判断力、表現力を一層問う内容にするという。河合塾が実施した最終回の全統共通テスト模試を例に、センター英語から共通テスト英語がどのように難化しているの簡潔に説明したい。
まず、前半のセンター試験名物だった発音・アクセント、文法知識を問う語句整序問題(約100点)が廃止され、200語以上の英文から情報を抜きとる問題からスタート。その後も複数の長文や図を使って読み解く問題が出され、計6つの大問で5千語以上を読むことが求められる。全体の単語数はセンター試験より2割程度増えるが、試験時間は80分のまま、700語以上の最後の大問6の長文2問(24点)は読み切れず終わる受験生が多い。
共通テストは複数の文章や図の隅々に問題を解く根拠が分散されており、全体の意味が理解できないと正答を導き出せない仕組みになっている。その上最後の設問まで読み切るには相当の速読力が必要になる。河合塾進学教育事業本部も「共通テストの英語は受験生が最も苦戦する教科になるだろう」と予測する。分量の大幅増が最大の理由で、全統模試を受けた高校生の7割はアンケートで「時間が足りなかった」と答えた。
音声を聞いて解答する「リスニング」も大きく変わる。英文の量はセンター試験並みだが、流す回数が1回の問題がおよそ7割を占める。読み上げが全て2回だったセンター試験のように、2度目の音声が流れている間に次の設問を確認して備えるテクニックはもはや使えない。
リスニングとは言え文法の理解も必要だ。18年実施の試行調査では”The man is going to have his house painted.”という英文が読まれ、状況を表すイラストを選択する問題が出た。受験生は使役動詞”have”に気づき「男性がペンキで家を塗らせようとしている」という内容の答えを選ぶ必要があった。リスニング第5問は地球温暖化等の環境問題、IT技術の進歩などの時事的トピックについての2分の講義を1回読みで聞く難問で、大半の受験生が苦戦している。アメリカ英語だけでなく、イギリス、オーストラリア訛りも採用され、読み上げが「1度きり」のプレッシャーはより重くなった。
河合塾は「問題を解き切るための時間配分に慣れるためにも、共通テスト予想問題の量をこなす対策が不可欠」と指摘する。当塾は生徒から寄付してもらった大手予備校の模試、Z会などの共テ予想問題を110分で本番さながら解いてもらい、圧倒的な英語力を持つ講師が弱点解説する実戦演習主義です。パターン練習では得点できなくなった思考力問題には初見問題への経験値を積み上げることで対応していきます!