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第1回共通テストを検証してみると

May. 05, 2021 英語テスト

1月に「思考力・判断力・表現力」の一層の重視を打ち出す、初めての大学入学共通テストが実施された。30年来行われてきたセンター試験と何が変わったのか?歴代の文部科学大臣のもと「大学入試のあり方に関する検討会議」のメンバーだった各教科の有識者の評価を朝日新聞がまとめていたので紹介したい。

会議で英語担当だった講師の母校である上智大学外国語学部言語科学研究科の渡部教授は指摘する。センター試験から最も変化が大きかったといわれるのが英語です。背景に「知識や精読による精密な内容理解」より、言語を使って何ができるかのスキルを重視する「機能的言語観」への変換があります「第1日程」の出題内容は、プレゼンのスライド作り、旅行プランの企画など多岐にわたります「リーディングはTOEIC試験のようだった」という声が上がったのも、こうしたことに起因します。

日本言語テスト学会会長でもある渡部教授はさらに指摘する。言語能力は日常生活を営む上で必要な基本能力と認知的に高度な能力に大別されるが、共通テストではスマホのメッセージ、Eメールのやりとり、クラブの入会案内など前者の比重が高かったと言えます。6つある大問のうち認知能力が求められたのは大問5と大問6の後半の長文だけでした。共通テストが思考力を重視するのであれば、認知能力を測る文章がもっと出ても良いのではないでしょうか。

また共通テストには高校までの英語の「到達度」と大学入学後に要される英語の熟達度の2つの側面を測る役割があります。前者に偏り過ぎてなかったか?バランスの検証が必要です。共通テストの独自の出題には、事実(Fact)か意見(Opinion)かを判断させる問題がありました。批判的な思考(Critical Thinking)を育む上で大切なので高く評価できます。一方、検討を重ねてきている、英語民間試験の導入については、以前から指摘されている試験機会の地域格差や経済格差の問題だけでなく、複数の試験の共通指標となるCEFR(欧州言語共通参照枠)も公平性を担保できるものではないので「導入すべきではない」と渡部教授は考える。

民間試験導入の目的は共通テストで出題されない、スピーキングとライティングの2技能の追加測定ですが、検討会議で最も支持が多かったのは「大学入学後の教育において各大学が独自に評価すべき」でした。当塾でも生徒同士ペアを組んで行うスピーキング練習を用意していましたが「入試で得点にならない」のでやっていません。一方、香川大医学科に現役合格した塾生が得点源にしてくれた、配点が高い自由英作文の添削は力を入れています。地方の高校や予備校ではまともに英語論文やメールを書いてきた先生は少ないので、2次英語で差をつけられる大きな武器となっています♪