来年の共通テストは難化必至か!?
来年実施される2年目の大学入学共通テストについて駿台教育研究所は「確実に難しくなるだろう」とみている。過去の入試制度の変更でも2年目の総合得点の平均点は初年度よりも、共通1次試験で19点、センター試験では36点下がった。これは新しいテストの導入後に共通した傾向だ。改革初年度は極端な平均点の低下を避けるため、出題レベルの難易度を抑え気味にし大学入試センターは1年目の平均点を見て、知識・技能に関する部分をレベルアップさせていく「来年は難化すると思った方がいい」とのこと。
共通テストになって大きく変わったのは出題形式だ。各科目とも問題文の量が増えて、複数の資料を使った実用的な内容の設問が多くなり、読解力や思考力、判断力が必要となった。来年も予想もしないオリジナル性の高い問題が出題されるだろうが、見たことのない問題が出ても動じないようにすることが大切だ。
入試本番で動じないようにするには、いろいろな形態の問題に多く当たらなければならない。そして出題予想が的中することはほぼないので慣れるしかない。各予備校が共通テスト対策で新しい出題形式の問題を作っているので、大手模試や予想問題で経験が積むことが必要だ。
「英語は難しくなる」と駿台教育研究所はみているが、講師も同じ意見。現在は高校卒業時に英検準2級程度以上の生徒を50%にすることが目標だが、新指導要領では、習得すべき語数も現行より増えて難化するとみる「第1回目だった今年は易しい問題の配点が高く平均点は下がらなかったが、今後は英文自体も難しくなると思った方がいい」「国語も英語と同様、試行調査問題に沿った実用的な形に変わるだろう」試行調査の国語では契約書などの実用文が問われたが本試験では出題されなかった「おそらく記述式で出題予定だったのが、記述式導入見送りで出題されなかったのだろう 。22年の共通テストでは出される可能性が高い」と大学通信は言う。21年は例外だったと考え、受験生は準備しておいた方がよさそうだ。
共通テスト初年度はコロナ禍による休校期間を配慮し、出題者の慎重な姿勢がうかがえた。例えば、 数学IA・IIBの平均点が前年比17点も上昇した理由は受験生が戸惑わないように丁寧な誘導を付けたことだ。国語も実用文が出ずセンター試験とあまり変わらない印象だった。2年の任期を終える出題委員も初年度の試験を終えたので、結果を細かく分析し自信を持って当初の平均目標50%を狙ってくることが予想され、駿台は「2001年以来の高い平均点だった数学IIBは10点ぐらい平均を下げてくる」と断言する。
どんな問題が出されようと、初見で対応できる本番力を積み上げておけば目標点を達成することは可能だ。当塾は中学受験トップのSAPIXや鉄緑会と同じく「初見問題で演習、家で復習」の実戦演習スタイルを採っている。制限時間内に「どの問題にどれだけ時間を使うのか」自分に適した解く順番と時間配分を体得してもらうためだ。瞬発的に出題の意図を理解し、速やかに解答作業をこなしていく。徹底した演習を通して生徒さんに「解けた!」という感動体験を積み上げてもらいたい。