またまた共通テスト問題集の手抜きとは!?
他社に先駆けて赤本の教学社が2023年度版共通テスト過去問研究を出した。共通テスト本試を基にしたオリジナルの実戦演習問題がリスニング&リーディング2セット作問されているとのことなので、早速アマゾンで取り寄せ、解いてみた。が、何とリスニングは2題とも去年の22年度版の使い回しでリーディングも最初の大問Aのみメール文からスマホメッセージ文に差し替えただけで、残りは去年の問題と同じだった。
河合塾の共テ総合問題集(黒本)は前年の全統模試の使い回し、駿台の共テ実戦問題集(青本)も駿台模試の使い回しで各社横並びのレイジーな取り組みである。さすがに全国共テ模試を実施していないZ会の共テ実戦模試は新作があるのかと思いきや、大半が去年の問題の使い回しでがっかりした。よっぽどオリジナルの予想問題を作るのが面倒なのだろう。
その中でも東進は全国統一高校生テスト、共テ本番レベル模試と年間6本もの共テ模試を新作した上、秋に出した実戦問題集でも新作問題を出してきたのにはリスペクトを感じる。上智外英の偉大な後輩である安河内講師がリーディング編を担当していたが多忙な有名予備校講師がよく頑張ったものだ。
受験者の少ない追試験で新傾向問題を試すことがあったので、大学入試センター(DNC)が公表するのを待っているが(リーディングは地方新聞が出していたので解いたが本試験より難化していた)今年はなかなか出してくれない。数学など理数科目が本試験と比べて易しかったので不公平との批判を嫌うDNCが出し惜しみしているのでは?との噂もあるようだ。
昨年までは岡山大・香川大の他学部共通英語、徳島大の医歯薬専用英語、愛媛大・島根大の医学科専用英語など地方国立医学科の2次対策がメインだったが、 今年は当塾初の東大受験者をはじめとする旧帝大受験者がいるので、リスニング付きで日本最高難度のスピード試験である東大英語、奥深い記述問題を出す阪大英語、標準的でバランスの良い北大英語などを2次対策する予定だ。
昨年から追加された自治医大の2次論述英語や男子学生としてはご縁のなかったお茶の水女子大の英語など生徒さんのおかげで多種多様な入試英語問題を経験させてもらっている。最新の入試問題を自ら解き分析することで、近年の出題テーマの傾向を掴んだり進化していけると信じている。 入試英語マニアの講師は新作問題集のアマゾンレビューを日本最速で投稿するのを励みにしているが、今年の教学社の手抜き問題集には辛口の評価をさせていただいた。