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日本の英語教師は国際的に実力不足!?

Jun. 24, 2023 英語テスト

経済協力開発機構(OECD)は世界各国の15歳児を対象に3年毎に学力到達度調査(PISA)を実施している。読解力、数学的リテラシー、科学的リテラシーの3分野について調査が行われていたが、次回の2025年度から「英語力」が追加される。英語力について公的機関がこれほどの大規模な調査を実施するのは初めてだ。グローバル化が進み、世界の共通語となった英語教育の重要性が増しているため、英語の習熟度を分析し、各国の英語教育に活用するのが目的だろう。

読む(R)、聴く(L)、話す(S)の英語の3つの技能を調査するが、何と日本は25年の調査には不参加を決めたらしい。その理由を文部科学省は「日本と比較し易いアジアの参加国が少なく、得られる有用なデータが限られる」と言い訳している。PISA調査では、主に読解力、数学、科学的応用力の3分野をテストし、日本は各分野でこれまで世界でも上位の結果を出し続けてきた。しかし、25年から英語力が追加されると、上位の結果を出すことは極めて困難と予想されることから、不参加という逃げの判断をしたのかもしれない。

実際、米国のテスト開発機関であるETSが主宰するTOEICの平均得点を見ると、
上智大学国際教養学部:938点(L&R990点満点中)
国際教養大学国際教養学部:920点
国際基督教大学(ICU)教養学部:874点
高校の英語教員の平均スコア:620点
中学の英語教員の平均スコア:560点(=TOEIC平均点レベル)

PISAの世界標準から逃げている感じで情けなくないのか?と感じるものの上記のTOEICの平均点を見ても「日本の中学・高校英語教員の平均スコアは低すぎる」かと言って現実は現実だ。現在の英語教育の実態を文科省だけでなく、英語教育関係者の一人ひとりが正面から受け止め、次回のPISA調査からは正々堂々と参加すべきだと考える。

正々堂々といえば、生徒に偏差値を競わせる塾講師自身の学歴を隠す場合が多いなど、予備校・塾業界には闇の部分を感じる。例えば英語塾選びで気をつける点は、
★講師の卒業大学・学部学科の公表
(国内の文系大学院は東大でも入り易く学歴ローンダリングの可能性大なので要注意)
★留学経験・語学資格(英検1級・TOEIC満点など)の公表
(お受験英語から実用英語へシフトする時代において英語圏での留学経験及び英語力を担保する資格がなくて実力は充分なのか?)
★塾生の大学進学実績・合格体験記の公表
(私大の合格者数は重複合格があり得る)

大学入学共通テストの黎明期、岡山で国公立大学を目指す高校生向けの英語塾を立ち上げた。お受験塾で鍛えてきた公立伝統校の生徒さんが主に参加してくれたが、驚いたのは彼らの英語運用力の低さだ。唯一すごい!と思ったのは私立中高一貫校の女子さん。東京外大英米語学科卒の教師に中学英語を習っていたらしく「教師の実力を超える生徒は生まれない」とつくづく感じた。文科省も英語教育実施状況調査で教師の英語力向上とICT機器の積極活用(当塾では既に実践している)を課題提起した。グローバル化の波に乗って世界に飛び出した我々の世代も将来第一線から退く時が来る。コロナ禍で海外留学もままならなかった若手教師の奮起を期待したい。