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読解力重視の入試改革はPISA対策だった!?

Jan. 03, 2024 英語テスト

経済協力開発機構(OECD)加盟国の2022年度国際学習到達調査(PISA)で、日本の中学生の読解力、数学的リテラシー、科学的リテラシーの3分野での順位はいずれも上昇した。特に低迷していた日本の「読解力」は今回は世界3位までV字回復を遂げた。文科省が「主体的、対話的で深い学び」を掲げた新たな学習指導要領を21年度から中学校で開始してPISAの出題傾向と親和性の高い学習活動が拡がったのが一因だとみられる。

これまでのPISAの出題傾向を見ると、企業のウェブサイトや雑誌記事などから必要な情報を検索させたり、内容の信頼性を評価させたりするなど実生活での問題解決力を問う内容だった「読解力の向上は従来から日本の子供の課題だった。新学習指導要領下で中学校に通った生徒が対象となる初の調査で(PISAが測る)アクティブラーニング的な教育を進めてきた学校での取り組みが反映された可能性はある」と文科省の担当者は分析する。

2003年の調査では日本の読解力は8位から14位に急落し、文科省に「PISAショック」を与えた。学校での学習量を見直す脱ゆとり教育の契機となり、アクティブラーニングを重視する新学習指導要領に繋がった。国語の教科書では実用的な文章を取り上げる例が目立ち、英語など他教科でも幾つものデータや表を基に考えさせる構成が導入された。

21年から改訂された数学の学習指導要領でも日常生活の事象から数学的に問題を導いたり、解決したりする手法を重視。新聞記事や統計データなどの資料から数学的に解釈する力を測る「PISA型」の学力と同じ方向性を目指している。文科省もこうした探究的スキルの養成も好成績に結びついたとみている。

21年度に始まった大学入学共通テストでも、複数の資料を読み比べながら情報を整理する問題が教科の壁を越えて出された「受験の帰結点である大学入試」までもが変わったことで、学校も生徒も学習内容の変化に対応せざるを得なくなったのである。19年頃から霞が関の文科省の前では「センター試験をなくすな!」とデモをする現状維持派の予備校や塾講師などが多く見られ、変化に抗うお受験業界の抵抗が見られた。分量が大幅に増えた共通テストは解く生徒も教える側も面倒くさい。毎年同じ授業を続けるのが楽なのはわかるが世界は絶えず変化している。進化論でも生き残るのは必ずしも強い種とは限らず、変化に対応できる種とされているのだ。

センター試験の英語は出題パターンが研究し尽くされ、発音・アクセントの選択問題で会話力を間接測定するとかいう世界的に非常識な受験英語を教える気にはなれなかった。共通テストも完璧でないかもしれないが初見問題を解く思考力が問われる点に挑戦し甲斐を感じる。難関大学の個別試験では見たことのないような出題がされることが多い。その場で何とか理解して解く力が問われるが、アウトプットの演習を経験してないと本番での得点力は養われないだろう。生徒の英語力を測る意味でも、読解スピードと精度、リスニング力という地の英語力を定点観測できる共通テスト型問題には有用性を感じている「大学入試が変わらない限り日本の英語教育は変わらない」と言われてきたが、共通テスト英語に変わってから英語を実際に使える若者は増えたのではないかと密かに期待している。