進研模試を決して侮ることなかれ!?
岡山市に本社を置くベネッセコーポレーション主催の進研模試。全国の公立高校が全校生徒を対象に受験させ40万人を超える最多の受験者数を誇る全国模試に成長している。親御さんの時代には各科目共に9割続出で「簡単な模試」という印象を持たれているようだが、近年難化傾向が著しくなっている。
特に国語、英語が難化しており、7月模試では国語81点で岡山県内約7100名中18位(上位0.3%)、英語89点で広島県内約13200名中27位(上位0.2%)と得点率9割越えずとも偏差値80近く出ていたのには驚いた。東大に現役合格する最上位層でも進研模試の国語で8割、英語で9割取れる人が少なくなっているのが現状認識だ。
今や岡山県中学受験界のトップ2である、国立併設型中高一貫の広大福山、県立6年中高一貫の大安寺中教(近年は広福を蹴る人も多いとのこと)、岡山学区トップの岡山朝日の校内平均点にもパラダイムシフトが見られる。
2024年の7月高2進研模試3科目の平均点を比較してみると、
英語:広大福山68.1点>大安寺中教65.2点>岡山朝日60.8点
国語:大安寺中教61.1点>広大福山60.5点>岡山朝日59.2点
数学:大安寺中教71.1点>広大福山67.8点>岡山朝日62.6点
3科目:大安寺中教197.3点>広大福山196.6点>岡山朝日182.7点
完全6年中高一貫で先取り学習を進める大安寺中教は数学、中学から英語4技能に力を入れる広大福山は英語、古典の教科書全訳を課す岡山朝日は国語が強いイメージがあったが、英国数3科目で大安寺中教が広大福山を超えたのを観測したのは今回が初めてだ。中学受験で併願校となる岡山白陵の東大、国公立医学科の合格者数が近年低迷しているのも大安寺中教を選ぶ上位生が増えていることが一因だろう。今春の大安寺中教の合格実績は驚異的で朝日の半数の生徒数で東大13名全員現役合格と東大いのち!の岡山朝日(現役7名、浪人4名の計11名)を上回っていた。
進研模試ができたからといって志望大学に受かるとは限らないが、県内全ての普通科高校が受験するので、県内順位で難関大学に合格圏にあるかの目安としては利用できる。理系最難関の国公立医学科に岡山県の高校から現役合格したのは今春60名前後、東大・京大理系学部の志望者を含めても2次試験の数・英(理)型で県内2桁が国公立医学科の現役合格圏と言えるだろう。基礎が固まっているのか確認できるのも進研を受けるメリットだが、数学の最上位層は9割後半は取ってくる。80点後半で偏差値75を超えるが、毎回95点以上取れる人たちとはレベルの差を感じる。7月模試で数学100点満点(11月模試99点)取った生徒は偏差値80台半ばだった。
学習塾をやっている事情は百人百様だろうが、私の場合、高校、大学、大学院と三度にわたる奨学金を得て海外留学させてもらった社会へのお返しの気持ちで大学受験専門の英語塾を始めた。特に宣伝もしていないが共通テスト及び2次英語で高得点が要される難関大を目指す人達が毎年集まってくれている。英語5割を6割程度に上げるのは誰でも可能かと思うが上位層を更に伸ばす限界突破が当塾の特色だ。21年、22年と岡山朝日の高3生2名が200点満点で共通テスト模試英語校内1位、そして帰国生も多い広大福山で高2生が全統記述模試校内1位、駿台ベネッセ共テ模試でも高3生がほぼ満点で校内2位を取ってくれた。何よりも嬉しいのは大学生になった生徒さん達が会いに来てくれること。頑張って合格を果たした生徒さんが青春の思い出を感じてくれるような塾でありたい。今年も最後の踏ん張りで全員合格を目指している。