大手模試にモノ申す!
伝統校、私立高が校内受験した進研共通テスト模試、下級生を中心に武者修行で受験してもらった東進全統高テスト、続々と成績表が返ってきています。当塾では井の中の蛙になりがちな校内テストより全国での立ち位置がわかる全国模試のデータを利用し生徒さんの成績管理を行っています。これら2つの模試についてちょっと言わせてもらうと、
1.進研大学入学共通テスト模試
★英語R:Lの配点比が大学によっては反映されず
これは致命的な欠陥です!以前から大手模試の担当者は同じ大学内の学科毎に異なる配点比をデータベースに登録するのに苦労するだろうなと心配していました。進研模試では岡山大はちゃんと4:1配点されていましたが、香川大は1:1のままでした。例えば、Rで9割取った人が1.6倍、Lを0.4倍で再評価すると素点から20点上がったりします。英語で20点も違うと1ランク上の判定に上がることもあるので、正確な配点比を使ってもらわなければ困ります。
★リスニング環境が異なる
公立伝統校では校内放送のスピーカーを通してリスニングを聞く、レトロ感溢れる方式だったようですが、私立高では生徒1人1人に本番と同じくICレコーダーが配布されたようです。当然ICレコーダーのイヤホンで聞いた方がよく聞こえますよね。ベネッセさんは公平を期すためにリスニング環境を統一すべきです。
★国語で小説文がまた復活?
文科省が実施した試行調査(プレテスト)の現代文では駐車場の契約書や生徒会の議事録など実用的な文章が文学的な小説文に代わって出題されました。同時期に実施の東進模試でも試行調査に沿った問題傾向でした。進研だけ旧センター型へ戻したりすると受験生が混乱してしまいます。
2.東進全国統一高校生テスト
★リスニング音源がひど過ぎる
「2倍速ですか?」とネットで炎上するほど速く、相変わらず古めかしいCDプレーヤーで流されたようです。おかげで大通り沿いの席の人は騒音でよく聞こえなかったとか!?映像授業用のヘッドホン装備したパソコンがあるのに何で使わないの?岡山の小さな英語塾でもMP3におとしてデジタル音声で生徒さんが聴きやすいリスニング試験流していますよ。
★数学がムダに難し過ぎる
今回の数IAの平均点は39点、数IIBはわずか29点でした。模擬試験の一つの使命として「本番の試験を模倣する」ことがあると思いますが、 マーク式数学で正答率 29%の問題ってどんだけ難しいんじゃ!?無料招待生が成績表を取りに三者面談に行ったときに、たくさん弱点を指摘して親御さんの危機感をあおり、新規入塾につなげる、集客目的の匂いがぷんぷんしますね。
★1日で7科目受験はきつ過ぎる
センター本番や他の模試は高3生の5教科7科目を2日に分けて受験します。ところが、東進模試は理系なら朝9時から20時まで11時間かけて1日で済ませます。あまりのハードさに最後の理科の途中で気分が悪くなり棄権した理系男子もいたようです。この過酷なスケジュールも本試験の時間割とは異なります。
新入試で波乱要因となるR:L配点を正確に反映しているのは、今のところ河合塾の全統模試だけのようです。東進の早口でまくし立てるLには皆さん苦戦しましたが、Rで惜しくも1問のみ誤答の97点で全国25位だった子や、英数型が最強で東大理科3類A判定取った子など下級生が健闘してくれました!伝統校の高3生は5日間にも及ぶ中間テスト、全統高テストと試験の連続でお疲れだったのか?進研共テ模試ではいつもの実力を出し切れず悔しい思いをしました。全国の主要高校が一斉に受験する8月の河合塾全統共通テスト模試に狙いを定め、リベンジしてもらいます!